森田屋

町のお肉屋さんでお惣菜を買ってみたくなった。

七夕祭りを目前に控えた商店街の肉屋の総菜がよいとの評判は以前から聞いていた。でも生活導線上にはない方面だったので、なかなか行く機会に恵まれずにいた。それがちょっとした用事で、夕方に目の前を通ることになったので、トライしてみた次第。なんでもここは、揚げ物類を注文を受けてから揚げてくれるとのこと。昔は肉屋っていうとそういうところもあった気がするが、最近は確かにそんな肉屋との付き合いはレアだ。そもそも買い物はスーパーでするものになってしまったし。恐る恐る入店し、目の前のカウンター越しに「コロッケと…」と注文を言いかけると、老年のご主人から制止され、「揚げ物の注文はあっちで」と別のカウンターを促された。そちらを見ると、なるほど。フライヤー至近の位置にもう1つカウンターがあり、そこが総菜専門のカウンターとなっているらしかった。カウンター内、というか、フライヤー前には壮年の店員さん。おそらく先ほどの老年のかたと親子なのだろう。そちらでコロッケ、メンチカツ、唐揚げを注文。すると「そちらでお待ちください」と店内のベンチを示された。今から揚げるのだから、そりゃ待つわけで。そこで座って、出来上がりをじっくり待つことにした。すると、その間にもお客さんが来るわ来るわ。次々に客が来ては総菜を注文し、そして「いついつに取りに来るからねー」と言い残して去っていく。またはすでにそうしたのであろう客が「〇〇できてるー?」とやってくる。なるほど、揚げ物の待ち時間を有効に使っているわけだ。無駄のない常連の動きである。そんな人々のふるまいを観察しているうちに、やがて自分の注文も揚げあがったので、会計をして帰宅した。自宅のテーブルの上にはまだ熱々の揚げ物たち。揚げたての揚げ物が不味いはずがない。自炊ではありえない、バラエティに富んだミックスフライ定食を、存分に味わえた。これは常用できれば素晴らしいけれど…時間と場所の制約がなぁ。

コロッケ、メンチカツ、唐揚げ100g(3個)。410円。

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